8月26日全校朝礼ー”しんどい君へ””成長に向けた心の作り方”ー

”しんどい君へ”

 夏休みが終わり、今日から授業が始まります。学校の始まりが待ち遠しかった人もいれば、夏休みがもう終わってしまったのかと嘆いている人など、思いは様々でしょう。でも、こうしてみんなで夏休み明けのスタートを切れることを嬉しく思います。

 さて、昨年度も話をしましたが、今年度も重要なことなので同じ話をします。2023年は513人の小中高生が自ら命を絶ったそうです。これは2022年と同水準で、子どもの自殺は深刻な状況にあると言えます。特に、休み明けの時期に多くなる傾向があり、友人との関係や勉強に悩んでいる人にとって夏休み明けの登校はプレッシャーが大きく、居場所を失って、追い詰められやすいということが考えられるようです。

 読売新聞では、いじめや虐待、SNSでの誹謗中傷、不登校など過去に苦しんだ経験を持つ著名人が、いま「しんどい君」へメッセージを送る連載をしています。今年で6年目となり、朝日新聞でも同様の企画が掲載されています。今日までに掲載されていたメッセージを少し紹介します。

 サッカー日本代表監督の森保一さんは、サッカー部のチームメートから避けられ、スパイクを投げ捨てられていたことがあり、思い詰めた時期があったそうです。森保さんは「コミュニケーションを取る相手を変えてみること」を提案しています。「自分を受け入れてくれる人や認めてくれる味方は必ずいる」とメッセージを送っています。

 俳優の兒玉遥さんは、HKT48として活動していたときに、SNSに押し寄せた誹謗中傷をきっかけに、うつ病になってしまったそうです。兒玉さんは「他人の評価を気にしすぎないで欲しい」「自分の好きなことや、こうありたいという”自分基準”をしっかり持っていれば、心ない言葉ははじき返せる」と呼びかけています。

 ダンサーのDAIKIさんは、難病を患い、内定していた就職も白紙となり、長年思い描いていた体育教師になる夢が叶わなかったそうです。しかし、居場所と信じたダンスを続けたことで、新しい夢もできたそうです。「もがいてきた時間はむだではない」と語っています。

 しんどい君に限らず、誰かの言葉で少しでも元気になったり、支えになってくれればと思い、紹介しました。新聞の切り抜きを掲示しておくので、気になる人は読んでみてください。QRコードから動画視聴もできるようです。

 また、亀戸中では今週、全校面談を行います。しんどいことや話したいことなどがあったら、是非話してください。移動教室、期末考査、文化祭などいろいろな行事があります。取組を通して成長できるようにがんばりましょう。(2024/8/26 校長)

 

”成長に向けた心の作り方”

 今日から新たなスタートです。次の長期休みである冬休みまで、大きな成長のある4ヶ月間になると思います。500人を超える人数での学校生活、たくさんの人と関わり、色々な経験を通すことで成長できると思うのですが、成長に向けて重要になるのが皆さんの「心」の状態だと思います。心が動くときは成長のチャンスです。今日は「成長に向けた心」の作り方について話します。

 

 先日までフランスのパリでオリンピックがありましたが、以前、ハンドボール男子チームの日本代表でキャプテンをしている永島さんという方とお話できる機会がありました。私は強く影響を受けたので皆さんにも伝えます。私が永島さんに一番聞きたかったのは、日本代表というチームをまとめるうえでの苦労やチームの雰囲気です。なぜなら、自分が教師をしていて、クラスや生徒をまとめる難しさを感じていたので、クラスや部活と置き換えて参考にしたかったからです。永島さんはこのように言っていました。「日本代表はそれぞれのチームからエース級の選手が集まるので、その分自分自身のブレない考えをもつ選手が多く、もう大変です」「頑固な選手が多くて本当に大変でした」私はその大変さを想像して、「そのようなチームをまとめる永島さんは心がかなり強いんですね」と言うと、「そんなことはないです。きっと普通の人より全然弱い、もう本当にガラスのハートです」と言っていました。嫌なことや気になることがあると僕のガラスのハートはすぐに「パリン」って割れます。さっきも割れましたよ。例えば、挨拶を返してくれない人がいたり電車で自分の大きい体型のことを話題にされていたりするような気がして今日だけで「パリン、パリン」とすぐに何枚もガラスのハートが割れていると仰っていました。それこそ日本代表なんて、自分と違う考えや意見が合わないときなんてガラスのハートがどんどん割れます。だから僕は特別な人じゃないです。ただ、努力をするうちに、ガラスのハートが割れると、その下から新しいガラスのハートがすぐ出てくるようになりました。多分いま100万枚はあります。僕は強くないけど粘り強くはなれたんです。1枚1枚はガラスのハートだけれど、100万枚ガラスのハートを作れるようになったんです。と教えてくれました。「弱音を吐いてはいけない」「誰かに負けてはいけない」「完璧でなくてはいけない」そんなことは絶対にないんです。「嫌なことがあったらすぐに割れるガラスのハートでいいんです。」ただ、次また頑張ろうと思えることが大事だと思うんです。何より、「ガラスのハートが割れても、また新しいハートで頑張る経験の繰り返しが自分自身を粘り強く、たくましい人に成長させます。」

 

 すごくいい話だと思いました。参考にしたかったのでまた頑張ろうと思える心の作り方を聞けました。1.「自分との約束を守ること」です。(生活の中で自分が決めたルールを守ること、時間を守るとか、あいさつをする、とか、決めた時間に起きるとか、自分が決めた約束を守る日々が積み重ねられると少しずつ自分が好きになって、嫌なことがあってもまた頑張ろうと思える。)2.自分の大切な人や大切なものを大事にすること。家族や友達、趣味や特技。自分の味方が一つでもあればまた頑張ろうと思えるきっかけになるということ。

 

 改めて、皆さんに伝えたいことをまとめます。日本代表のキャプテンを任されるくらいのすごい方でも、些細なことで嫌な気持ちになるし、すぐ落ち込んだりするということ。自分と同じだなと思って勇気をもらえませんか?

 そして最も伝えたいのは、落ち込んだときに「また頑張ってみよう」と思える心をもつ大切さです。一枚一枚はすぐに割れてしまうガラスのハートでもいいんです。割れないハートをもっている人はなかなかいないと思います。だから私も含め、亀戸中学校の皆で、例えガラスのハートであっても、それをたくさん作り出せる粘り強い人を目指しませんか。良いことがあったら一緒に喜び合って、その思い出を糧にして「また頑張ろう」と思えるきっかけにしましょう。嫌なことがあったときこそ協力して、「皆がいるから頑張ろう」と思える関係になれたら最高です。そして何より、自分を大切にしてくれる友達や家族を大切にしましょう。そういう味方が存在するだけで頑張る理由になります。また、友達や家族だけでなく、先生たちを頼りましょう。先生たちは全員皆さんの味方です。先生たちが、また頑張ろうと思える心のきっかけになります。言い方を変えると、先生たちは頼られると嬉しいんです。生徒に頼られたい仕事なんです。頼ってくれる皆がいるから先生たちは「また頑張ろう」と思えるんです。だから頼ってくださいね。明日からの全校面談も楽しみにしています。

 

 今日からの学校生活、また挑戦を再開し、喜んだり、悲しんだり、悔しんだり、笑ったり、泣いたり、色々な心を通して成長していきましょう。楽しいことばかりではないけれど、立ち上がろうとするお互いを支える4ヶ月にしましょう。粘り強く、一緒に頑張りましょう。(2024/8/26 生活指導主任)

更新日:2024年08月26日 17:09:50